広告と何が違う?経営を劇的に変えるPR戦略の立て方【成功事例付き】

「良い商品なのに、なぜか選ばれない」「広告費をかけても、その場限りの集客で終わってしまう」
もしあなたがそう感じているなら、それは『広告』と『PR』の決定的な違いを見落としているからかもしれません。

多くの経営者が、認知度を上げるために「枠」を買う広告に依存し、莫大なコストを費やしています。
しかし、情報が溢れる現代において、顧客が求めているのは企業の一方的な宣伝ではなく、信頼できる「第三者からの評価」です。

本記事では、経営を劇的に変える「PR戦略」の核心を解説します。広告との違いを明確にし、低コストで社会的な信頼とブランド力を築き上げるための具体的なステップを公開。これを知っているか否かで、数年後の企業の「信頼」と「利益率」は大きな差がつくはずです。

なぜ今、経営者に「PR戦略」が必要なのか?

かつては、多額の予算を投じてテレビCMや新聞広告を出せば、モノが売れる時代がありました。しかし現代、消費者は企業が発信する「自分たちの自慢話(=広告)」を、無意識にスキップするようになっています。

情報が溢れかえる中で、企業が生き残るために必要なのは、認知の「量」ではなく、信頼の「質」です。

広告(枠を買う)とPR(信頼を得る)の決定的な違い

経営において、広告とPRの役割を混同することは非常に危険です。その違いを一言で言えば、「自画自賛」か「第三者による評価」かにあります。

比較項目広告(Advertising)PR(Public Relations)
発信主体企業自身(自画自賛)メディア・インフルエンサー等(客観評価)
コスト広告費(枠を買うための高額費用)協力費・制作費(知恵と工夫のコスト)
情報の性質企業がコントロール可能メディアが主体(情報の制御は不可)
信頼度低い(「売り込み」と警戒される)極めて高い(「公的な情報」と認識される)
資産性一時的(出稿をやめれば消える)蓄積型(ブランド価値として残る)

「知られている」ではなく「信頼されている」状態を作る

経営者の皆様に自問していただきたいのは、「あなたの会社は、有名ですか?それとも信頼されていますか?」という問いです。

たとえ知名度が100あっても、信頼が0であれば成約には至りません。逆に、知名度が10であっても、その10が「この分野ならあの会社が一番だ」という深い信頼に基づいたものであれば、営業効率は飛躍的に高まります。

PR戦略の本質は、メディアという「社会の公器」や、SNS上の「フォロワー(利害関係のないファン)」を介して、自社の価値を語ってもらうことにあります。

SNS時代の「情報の透明性」が経営に与えるインパクト

今の時代、企業の裏側はすぐに可視化されます。不誠実な広告を出せばSNSで即座に指摘され、逆に誠実な経営姿勢や独自のストーリーがあれば、それが勝手に拡散されていきます。

こうした「隠し事ができない時代」において、経営者自身の言葉でビジョンを語り、社会との良好な関係(Public Relations)を築くことは、不祥事や競合の参入に対する最強の防御策にもなるのです。

経営にインパクトを与えるPR戦略の「3大メリット」

PR戦略を「単なる広報活動」と捉えるのは損失です。戦略的なPRは、BS(貸借対照表)やPL(損益計算書)に直接影響を与える「経営のレバレッジ」となります。

1. 営業効率の劇的な向上:第3者の「お墨付き」が成約率を変える

広告で集めたリード(見込み客)と、テレビや経済誌の露出を見て問い合わせてきたリードでは、その「受注難易度」が根本から異なります。

  • 信頼のショートカット:初対面で「私は信頼できる人間です」と言うより、共通の知人から「彼は信頼できる」と紹介される方が話が早いのと同じです。メディア露出という「社会のお墨付き」があるだけで、商談時の信頼構築プロセスを大幅に短縮できます。
  • 価格競争からの脱却:比較サイトでスペック競争をするのではなく、「あのメディアで紹介されていた企業」という指名買いが発生するため、相見積もりにならず、高い利益率を維持しやすくなります。

2. 採用力の強化:共感を生むストーリーが優秀な人材を引き寄せる

現代の採用市場、特に優秀な若手層やハイクラス層ほど「給与条件」だけでなく、企業の「パーパス(存在意義)」や「社会的価値」を重視します。

  • 「何のために」が伝わる:PRを通じて「なぜこの会社を立ち上げたのか」「社会の何を解決したいのか」というストーリーが可視化されると、その価値観に共感した「カルチャーフィット」の高い人材が集まります。
  • 採用単価の抑制:多額の求人広告費を払わなくても、SNSやメディアを通じて社風が伝わっていれば、リファラル(紹介)や直接応募が増え、結果として1人あたりの採用コストを大幅に下げることが可能です。

3. 資金調達・アライアンスの円滑化:社会的な「格」の形成

銀行、投資家、そして大手の取引先。彼らが最も嫌うのは「得体の知れない企業」と組むリスクです。

  • 信用力の担保:日経新聞や業界紙などの権威あるメディアへの掲載実績は、企業の「信用証明書」になります。これにより、銀行融資の審査がスムーズになったり、本来なら門前払いされるような大手企業との提携話が舞い込んだりするようになります。
  • 社内モチベーションの向上:自社がメディアで肯定的に取り上げられることは、社員やその家族にとっての誇り(エンゲージメント)に直結します。「うちの会社は社会に認められている」という実感は、離職防止の最強の薬となります。

【実践】勝てるPR戦略を立てる5つのステップ

PR戦略で最もやってはいけないのが「とりあえずプレスリリースを打ってみる」という場当たり的な行動です。経営戦略と同様に、逆算のロジックで組み立てる必要があります。

Step 1:目的(KGI)の明確化

まずは「何のためにPRをするのか」を1つに絞り込みます。

  • 信用の獲得(企業自体の信頼度を上げる)
  • 売上拡大(新規顧客の獲得)
  • 採用強化(エントリー数の増加、質の向上)
  • 資金調達(投資家への認知度アップ)

Step 2:ターゲットとメディアの選定

「誰に届けたいか」によって、アプローチすべき媒体は変わります。

  • 対経営者・投資家:日本経済新聞、Forbes、経済系Webメディア
  • 対一般消費者:テレビの情報番組、ライフスタイル系SNS、バズメディア
  • 対業界関係者:業界専門紙、BtoB展示会 などターゲットが日頃どの情報源を「信頼」しているかを特定することが重要

Step 3:独自性(コア・バリュー)の言語化

メディアや顧客が知りたいのは、「あなたの会社が、他社とどう違うのか」という一点です。

  • 「世界初」「日本一」といった客観的事実
  • 「創業者の異色の経歴」などの人間味あふれるストーリー
  • 「業界の常識を覆す」独自のビジネスモデルを、短いキャッチコピーにまで削ぎ落とす

Step 4:社会との接点(ナラティブ)の構築

これがPRの最も重要なポイントです。自社の言いたいこと(Selling Point)を、世の中の関心事(Social Issue)に変換します。

  • :単なる「新しい清掃サービス」ではなく、「共働き世帯の増加による『名もなき家事』の解消」という社会背景を添えるだけで、メディアが取り上げる「ニュース」に変わります。

Step 5:継続的な発信体制の構築

PRにおいて、一発逆転の魔法はありません。

  • 社長自身のSNS発信:経営者の言葉は、最強の広報コンテンツです。
  • 社員を巻き込む:社員に自社のPR戦略を共有し、全員を広報担当者にする。
  • PDCA:メディア露出の数だけでなく、そこからどれだけ問い合わせや採用に繋がったかを検証し、次の一手を考えます。

経営者へのアドバイス 最初のうちは、社長自らが「メディアのキーマン」と接点を持つことをお勧めします。広報担当者に任せきりにせず、トップが自らの言葉でビジョンを語ることが、最も強力なPR武器になるからです。

【事例紹介】PR戦略で飛躍した企業の共通点

成功している企業は、決して「運良くメディアに取り上げられた」わけではありません。明確な戦略に基づき、社会との接点を設計しています。

事例A:ストーリーテリングでファンを増やしたBtoC企業

(課題:コロナ禍では売上がゼロに。メディア露出も一回きりで終了していた)

コロナ禍では売上がゼロの時もあったという靴下の製造メーカーは、新商品の発売にあたり、スペック(機能)だけでなく「開発背景のストーリー」を前面に出しました。

  • 戦略:「こういう商品を開発しました」「こういうイベントをします」という発信ではなく、「こういう経緯があったからこの商品が生まれた」というような、開発の想いの部分をアピール。想いを乗せて情報発信するように意識。
  • 結果:開発ストーリーから工場の製作過程など、商品の概要だけではなく商品ができた背景や苦労した点などもメディアへ伝えたところ、98局ほどの地域に放送されている番組で放送は約10分くらい取り上げてもらえた。

事例B:外注から「自走化」に切り替え人材不足を解決したBtoB企業

(課題:採用において「自社の魅力」をいかに知ってもらうかが長年の課題だった

「自分が広報担当だったら、どうやって広報活動を進めていくか」を考え、それをどう進めていくか、社員ができるようになることを並走して教えてくれる「自走支援のサービス」を選びました。

  • 戦略:広報部がなかったので、広報で取り組んでいることを都度社内で共有し広報の役割について知ってもらい、社員たちが部署を超えて意思疎通できるような環境作りに取り組みました。
  • 結果:会社の強みや特徴をしっかりと文章化できたことはもちろんですが、社員である私たち自身が、自社の強みを改めて知ることができました。過去の掲載記事を見た別の媒体から取材のお問い合わせをいただくなど、報道の連鎖、波及効果も起こっています。

成功事例に共通する「3つのポイント」

これらの事例を分析すると、以下の共通点が浮かび上がります。

  1. 「何を売るか」の前に「なぜやるか」を語っている スペック(機能)は比較されますが、ストーリー(志)は比較されません。経営者の想いが最強の差別化要因になっています。
  2. メディアを「出口」ではなく「パートナー」と考えている 宣伝を依頼するのではなく、メディアが求めている「社会的に意味のある情報」を提供し、共に社会を良くしようという姿勢を持っています。
  3. トップが広報の最前線に立っている どちらの事例も、経営者自身が自らの言葉で発信し、最終的な決断を下しています。広報担当に丸投げした企業で、ここまでの成果が出ることは稀です。

経営者へのヒント 成功事例に共通するのは、「世の中をどう良くしたいか」という経営者のパッションが、メディアというフィルターを通ることで「公的な信頼」に変換されている点です。

失敗しないためのPR会社・広報担当の選び方

PRは広告と異なり、お金を払えば露出が保証されるものではありません。だからこそ、パートナー選びには「経営視点」が不可欠です。

丸投げはNG?経営者が関与すべき「核心部分」とは

まず大前提として、PRを外部や担当者に「完全丸投げ」することはできません。

  • 経営者にしか語れないことがある:会社のビジョンや創業の想い、将来の展望は、経営者の言葉でなければメディアの心(そしてその先の読者の心)を動かせません。
  • 情報の鮮度は現場にある:PR会社は「伝え方のプロ」ですが、「ネタ(情報)のプロ」はあなた自身です。

「何を世の中に問いたいか」という戦略の核心部分は経営者が握り、それを「どう広めるか」という戦術の部分をプロに任せるのが、最も成功率の高い形です。

よいPR会社・広報担当を見極める3つのチェックポイント

パートナーを選ぶ際は、以下の基準で判断してください。

  1. 「御社の強みは何ですか?」と逆質問してくるか 単に「プレスリリースを月◯本打ちます」という作業ベースの提案ではなく、自社の強みや社会的な価値を深掘りしようとする姿勢があるかどうかが重要です。
  2. メディアの「向こう側」が見えているか 「テレビに出せます」という人脈自慢ではなく、「その露出によって、ターゲットの心理がどう変化し、経営課題がどう解決されるか」というストーリーを語れる人が本物です。
  3. 「NO」を言えるか 「それはニュースになりません」「今のタイミングでは逆効果です」と、経営者に対して客観的なアドバイスができるパートナーは信頼に値します。
  4. 「PRを代行」するのではなく、自走支援の視点があるか 「情報を発信して終わり」ではなく、社内に広報の文化を根付かせ、ノウハウを共有してくれるかを確認しましょう。最終的に自社で情報発信のサイクルを回せるように導いてくれる存在こそが、真の伴走者です。

成果指標(KPI)の考え方:PV数よりも重要な「質の評価」

PRの成果を「掲載数」や「PV数」だけで測るのは危険です。経営に資するPRであれば、以下の指標を重視すべきです。

  • パーセプション・チェンジ(認識の変化):顧客からの問い合わせ内容が「安いから」から「信頼できるから」に変わったか。
  • 採用候補者の質:面接に来る人が、自社の理念をどれだけ深く理解しているか。
  • 指名検索数の増加:社名やサービス名で直接検索される回数が増えたか。

まとめ:PRは「投資」であり、最強の経営戦略である

広告は「消費」されるものですが、PRで築いた信頼は「資産」として会社に蓄積されます。

不透明な時代だからこそ、小手先のテクニックではなく、社会に誠実に語りかける「PR戦略」を経営の真ん中に置いてみてください。半年後、一年後、あなたの会社に対する世の中の目は、今とは全く違うものになっているはずです。

この記事をシェアする!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

【株式会社ネタもと】
「広報PRは、経営者自ら取り組むべき経営戦略」という考えのもと、1~3年で「広報の自走化」実現を支援。広報の自走化に不可欠な「PRのノウハウ」「メディアとの接点」「広報体制づくり」を提供。ネタもと登録メディア数は約1,600媒体/5,500名(2025.9月現在)。企業とメディアを直接つなぐことで企業の広報業務を格段に効率化し成果を最大化。